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早春の生き物みっけ!「ナガレタゴガエルを探そう」! 期日:2012年3月4日(日)曇
JR青梅線奥多摩駅より徒歩で40分ほどの「さかな養殖センター」付近の渓谷にナガレタゴガエルを観察にでかけました。当日は、このところ何度か降った雪がまだ所々に残っていて冬山の様相でしたが、渓流釣りの解禁日と重なっていたため、普段は静かな沢が釣り人で賑わっていました。ナガレタゴガエルは、まだ雪が残るような寒い時期に沢の中で産卵します。産卵場所を特定するのは大変難しいのですが、冷たく澄んだ流れの中で、抱接しているものを含めて何匹かのナガレタゴガエルとカジカの稚魚を観察することができました。ナガレタゴガエルは奥多摩で1978年に発見されて1990年に新種として登録されました。 本州中央部(関東、中部、北陸、近畿の各地方)の山間部の渓流地帯に生息していることが確認されていますが、どんな生活をしているのか? まだまだ、よく分からない事だらけで“不思議がいっぱい”のカエルです。
晩秋の三ノ木戸山登山 実施日11月26日(土)
「さんのきど」と書いて「さぬきど」と呼びます。珍しい名前です。なにか由来がありそうです。奥多摩の登山地図を開くと、長大な石尾根の一番奥多摩駅近くに、小さく名前が載っています。でも、山道はよく分かりません。25,000分の1地形図を使って、この三ノ木戸山を訪ねてみました。今は晩秋、晴れ上がった空のもと、落ち葉のじゅうたんを踏みながら、まだあかく紅葉が残る木々を見上げて、ゆっくりと登ります。時々、木や標識にピンクのリボンをつけました。ここは、どこでしょう?地形図であそびながら、結構長い登りを頑張りました。山頂はすっかり葉が落ちて、遠くに富士山がもう冬のたたずまいを見せています。ひろった赤・黄の葉を窓の形にくりぬいた紙に貼って、陽にかざすと、素敵なステンドグラスのできあがり。楽しい山頂での昼休みを終え、杉林の急坂を下ります。林道を歩いて城(じょう)集落へ。いにしえの将門伝説に由来する三ノ木戸周辺の地名です。長い道のりもあと少し、私たちは夕暮れ迫る山道を、一路、奥氷川神社目指して歩きました。
報告者:奥野夏子
◆ホームページもごらんください:http://www13.ocn.ne.jp/~okutamav/event_info.html
「秋の倉戸山自然観察登山」 実施日 2011年10月30日(日)
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□□□□奥多摩むかし道ハイキング□□□□ 実施日2011年9月23日
川苔谷の「生きもの観察」報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実施日:2011年8月20日
今回は、森林インストラクターの武部令氏を講師に、日原川の支流「川苔谷」の林道で行いました「生きもの研修」の報告です。川苔谷は、奥多摩町民へ飲料水を供給している水道水源林として、手入れされた森が広がっています。林道沿いには、いたるところに夏の名残のタマアジサイが咲いていました。当日は小雨模様で気温が低く、生きものが活発に動き回る条件ではありませんでしたが、数多くの生きものを見ることが出来ました。なかなか目にすることの少ない生き物を紹介しましょう。オトシブミ、ハリガネムシ、フクラスズメ、カメムシタケなどです。こうした生きもの達が自然界でどのように生活し、どのような役割を担っているかを学びましたが、私達の今後の活動にも活かしていきたいと思います。
1.川苔谷の林道と渓谷
2.観察できた主な生き物たち
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(報告者:小嶋道男)
奥多摩ビジターセンター行事ご案内:http://www13.ocn.ne.jp/~okutamav/event_info.html
「奥多摩さかな養殖センター」は海沢と入川の2か所にあります。今回見学したのは海沢飼育地です。JR青梅線奥多摩駅より徒歩で約40分の数馬渓谷への入口にあります。周辺には、清流と渓谷美が満喫できる多摩川や緑豊かな里山風景が広がり、魚の養殖に最適な環境ということが実感できます。ここではシャケ科のニジマス(虹鱒)、ヤマメ(山女魚)、イワナ(岩魚)を養殖しています。渓流釣りをされる皆さんが、奥多摩で釣る魚の多くはここで育ち、河川漁協を通して放流されたものです。これらのなかで現在売り出し中のものが、「奥多摩ヤマメ」です。渓流の女王と呼ばれるヤマメをバイオテクノロジーで3倍体化したものです。通常のヤマメは生後2年ほどで産卵して死んでしまいますが、「奥多摩ヤマメ」は4~5年まで生育するので2Kg程の大型魚に成長します。刺身、寿司、ムニエル等幅広い料理で美味しく食べることが出来ます。
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昨年10月から堤防工事のため一部閉鎖されていた殿町三丁目(川崎市川崎区)地先の多摩川河口青少年サイクリングコースが、6月15日に暫定解放されました。東日本大震災の影響により工事期間が延びましたが、堤防の高さが高くなり、幅も4mに広がったため、以前よりも開放感が高くなったような気がします。また、護岸上に芝が張られたこともあり、景観も良くなっています。現在はまだ砕石が敷かれているだけなので、自転車ではやや走りにくい状態ですが、今年の11月以降に舗装工事が行われる予定ということですので、すべての工事が終了すれば通行しやすくなることでしょう。ちなみに、サイクリングコース終点から突端の水位観測施設へつながる道は整備されていませんので以前のままとなっています。これからの季節は散策や干潟観察などでここを訪れる人々が多くなりますが、日陰がありませんので熱中症対策が必要です。トイレと水道があった殿町第二公園も、隣接する場所に川崎市が整備を進めている研究開発拠点の建設に伴い工事が行われており、利用することができませんのでご注意下さい。
http://www.yasumoto.com/ jun@yasumoto.com
海から1km地点 | 開通したサイクリングコース |
工事内容についての看板 | 水位観測所から羽田空港を臨む |
整備中の川崎市の研究開発拠点 | 堤防が高くなり拡幅された |
突端への道は変わらず |
川苔谷 百尋ノ滝 自然観察ハイキング 実施報告 2011年6月26日
川苔山の麓に流れる沢筋を歩くコースです。百尋ノ滝をはじめいくつもの美しい滝や淵が次々と迎えてくれます。谷を挟んで倉沢谷との地層の境も目にすることができ、太古の地殻変動の跡を確認することができます。3月の地震後、奥多摩地域でもいつもより多くの落石が林道に散らばっています。細倉橋からはセラピーロードとして、誰でも気持ちよく歩けるよう整備が進んできています。梅雨真最中でしたが雨は免れ、濡れた木橋を注意しながら目的の百尋ノ滝に向かいました。参加者は滝に近づき、爆風や飛沫を浴びてそのスケールや迫力をそれぞれの心に刻んだことと思います。帰りは尾根を登り林道に出て、展望台から再度滝の姿を堪能しました。この頃には青空もひろがり、道沿いでさえずるオオルリの姿に見入ったり、傍らを飛び交うアゲハや見頃のオオバアサガラの花、その花に訪れるハチ、熟してきた山桜やクワの実、モミジイチゴなど山の命の息づくこの季節を存分に楽しんで帰ることができました。
■川苔谷森林セラピーロードに流れ落ちる主な滝とそこに咲く花々や昆虫
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(報告 髙橋まり子)
奥多摩ビジターセンター:http://www13.ocn.ne.jp/~okutamav/event_info.html
「風薫る栃寄渓谷 自然観察ハイキング」
本番当日は例年より早い梅雨入りと、台風2号が近づいてきたところから、滑りやすい渓谷歩きは危険と判断し中止となりました。今回は、私たちスタッフが下見をした栃寄沢の様子を報告します。
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境橋バス停を降りると、そこはもう圧倒されるような緑の世界です。白いウツギの花がさわやかに咲き乱れ、ウリノキの花はそっと揺れています。 イチゴの実も、サワシバも、鳥の声も、みんな元気いっぱいに春の歌を歌っているようです。栃寄沢へ入ると、緑のトンネルです。ウワバミソウ、ラショウモンカズラ、クワガタソウ、ツルカノコソウ、早春の花と交替して、涼やかな色どりの花が次々と私たちを迎えてくれます。 ヤマメも見えました。いくつもの桟橋を渡って、1時間ほどでゴハンギョウの滝に着きました。以前より水量が減ったようにも感じました。地震の影響でしょうか? トチノキの巨木があるトチノキ広場で昼食、ホウチャクソウも花盛り。女王様のような白い花をつけたホオノキ、大きなハナイカダの木やヒメコウゾの花も楽しめました。山全体がいきいきと命の輝きで光っているようでした。今回の雨天中止については本当に残念ですが、美しい奥多摩の5月は、ずっと繰り返し訪れてくれるのですから、ゆっくりと次のチャンスを待ちたいと思います。 ( 報告者:奥野夏子)
だいし水辺の楽校
2011年4月16日(土) 本日は「だいし水辺の楽校」の平成23年度開校式と干潟観察会が行われました。
平成23年度開校式 干潟館から干潟へ移動
大師橋 それぞれ観察を開始
アシハラガニだ!
何がとれたかな? 本日のまとめをして帰ります
大師河原水防センター(大師河原干潟館)での開校式の後、ライフジャケットを着て早速干潟へ移動します。今回は小さなお子さんも多かったため、300m程下流にある大師橋下の干潟で観察会を行うことにしました。この日の最大干潮時刻は9時46分だったので、丁度良い具合に潮が引き、泥干潟が現れています。スタッフの指導のもと、それぞれ泥を掘ったり、石をひっくり返したり、葦原の中を探検したり、水辺で網を入れてみたり、どのような生きものが住んでいるか調べたところ、ケフサイソガニ、アシハラガニ、ハゼの赤ちゃん、スジエビ、ヤマトシジミなど、干潟ではお馴染みの顔ぶれを確認することができました。まだ気温が低いせいか、アシハラガニやクロベンケイガニは茂みの奥に引っ込んでいましたが、それでもたくさんのアシハラガニを捕まえてきた子どもたちもいて、カニたちにとってはちょっと迷惑だったかもしれません。干潟館へ戻ってからは、帰り道に土手を散策しながら採取した野草を天ぷらにして、お昼ご飯と共いただきました。多摩川は様々な恵みをみんなに与えてくれる豊かなところですね。
安元 順 http://www.yasumoto.com/ jun@yasumoto.com
早春の奥多摩里山歩き
ビジターセンターボランティア会の4月行事は雨により中止となりましたが、 ボランティアの自主研修として奥多摩町の多摩川上流方面の里山を歩きました。
スミレの仲間 ニリンソウ
ミミガタテンナンショウ ミヤマキケマン
多摩川本流、弁天橋より 早春の里山
満開のヤマザクラ 羽黒神社にて
4月23日(土)都心では早朝から大雨でしたが、奥多摩ではそれほど雨量は無く気持ち良くハイキングできました。 渓谷沿いの道を登計集落、鋸山林道へと歩いて弁天橋で多摩川を渡り、むかし道ハイキングコースのサイカチ休憩所に出ました。そこから歴史ある羽黒三田神社を回って奥多摩駅に戻りました。のんびり歩いて4時間ほどの里山歩きでしたが、道端には早春の花たちが沢山見られて、雨のハイキングの辛い歩きを覚悟してスタートしましたが、思っていたより楽しい一日でした。今年は草花も少し遅れているようで、多くのスミレの仲間を見つけることができ、草花に詳しいボランティア仲間は10種類以上あったと話していました。渓谷を覗くとヤマザクラを囲むように新緑の淡い色が霞んでいました。(報告者:髙島健次)
3月28日(月)
このたびの震災では、大変多くの人や物を失い、深い喪失感を覚えます。しかし、社会・経済がきちんと回ることによって被災地へ支援が行き届くこともあると信じ、現地の状況に心を寄せつつ、今できることをしなくてはと気持ちを奮い立たせています。野川沿いでは、ソメイヨシノがつぼみを膨らませ、少しずつ咲きはじめました。被災地にも早く暖かい春が来て、花が咲き、少しでも心を和ませてくれますように。 喜多見ポンポコ会議
次大夫堀公園の桜と野川
咲きはじめたソメイヨシノ
2011年3月26日(土)
節電中のポスター
殿町地区堤防工事現場
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による被害が明らかになるにつれ、様々な方面にその影響が広がっています。河口域の川崎市川崎区では震度5強を記録し、停電が朝まで続いた地区もありました。大師河原水防センター(大師河原干潟館)では、一階河川情報室の魚類飼育水槽の水がこぼれた他はこれといった被害はありませんでしたが、二階会議室のテーブルが大きく移動していたところを見ると、かなりの揺れだったことが分かります。これにより、大師河原水防センターは臨時休館となり、19日に行われる予定であった、だいし水辺の楽校の活動も中止となりました。現在は計画停電(第1グループ)に合わせて開館しており、同時に照明や空調など電力設備の一部を制限する節電も実施しています。また、国土交通省京浜河川事務所による点検では、今回の地震において多摩川の堤防、護岸、水門などの施設には異常がなかったということです。殿町地区では5月31日までの予定で堤防強化工事が行われており、着々と整備が進められています。隣の殿町第二公園でもそれに伴い、改修・整備が始まりました。大師橋に近い土手沿いには特別養護老人ホームゆとりあも完成し、4月1日から入居が開始されます。変わりゆく河口域ですが、人の心もこれを機に変わって行くことでしょう。
東日本大震災の影響により開催中止となりました研究集会「ヒトがすみはじめたころの関東地方」を、下記により再開することとなりましたので御案内させていただきます。
・開催主旨
本研究は、とうきゅう環境財団より、研究課題「多摩川流域における後期洪積世初頭の人類文化の成立と地形環境について」として2009年度、2010年度の研究助成を受けて進めてまいりました。多摩川は約10万年以前には多摩丘陵から相模野台地にかけて流路があった時代もあり、同じような条件にもとづく地形形成、地形環境があった相模野地域へも研究の対象範囲を広げて、立川ローム層下部にある石器群についての諸問題について、実際の遺跡の調査成果を掘り下げながら、考古学、自然科学からの学際的検討することを目的としています。